PL2-248(プレ二248)つくばみらい市

 春のつくばみらい市。

親子連れが弁当を拡げ、テニスの打撃音が響き、ゲートボールの歓声が聞こえる「きらく山公園」。

 待ちわびた春の桜に覆われるように、ガタイの大きな蒸気機関車が一台。

 一所懸命に保存されてはいたのであろうが、長年の風化により塗装は剥げ、一部の鉄板がはがれ落ち、ところどころに草が生えていて可哀想だ。

 こういった文化財の保存には費用がかかる。

 

 この蒸気機関車は昭和10年日本車両製造で製造され、主に満州国鞍山鉄工所(旧昭和鉄工所)にて活躍、戦後も中国に接収され、平成7年までの60年にわたり現役で活躍したプレ二型と呼称される名機だ。

 つくばみらい市の有志の皆さんが中国から買い取り、平成9年よりこうして毎年桜の花びらを浴びながら訪れる人びとに無言で歴史を語っている。

 

 D型やC型は、数が少なくなったとはいっても全国を旅する中でよく目にする。国内だけではなく樺太のユジノサハリンスク駅でも見かけた。

 しかし、恥ずかしながらプレ二型は今まで存在も知らなかった。いくつになっても知らないことは無尽蔵、知っていることはほんの僅かだ。

 

 日頃気付いていない時の語り部を探してみよう。