青森に眠るキリスト

 八戸から国道454号線を十和田湖へ向かう。新郷に入って戸来地区を通ると、「キリストの墓」の標識。ん? それはおかしいだろうと思いつつ、車を右折させると整備された小さな駐車場を持つ里山の公園があらわれた。そこにはまぎれもなく「キリストの墓」と書いてある。駐車場から坂の歩道をのぼっていくと、小山の山頂が開け、そこには十字架の墓が二つと立派な建物(伝承館)が。

 墓の1つは「キリスト」、ゴルゴダの丘で磔刑にされたのは、実はキリストではなく身代わりになった弟のイキリスであるということだ。キリストは刑を逃れて日本へ渡り、この戸来地区で人生を全うしたということである。

 ではもう一つの墓は誰だ。それは弟イキリスということになっている。ゴルゴダの丘で磔刑に処されたのがイキリスであるならば、そのイキリスの墓もここに存在するというのは驚きだ。だが、イスラエルから新郷との友好の証として石碑が送られているところをみると、イスラエルも容認はしているということだろうか。そういえば、「戸来」は「へぶらい」と関係がありそうに思える。

 

 伝承館の係りの人にたずねてみた。

「本当にキリストの墓なのですか?」

 答えは、

「イエス!」

 旅は面白い。

 

 そして、なんと、キリストの墓を離れて少し走ると、次に出てきたのは「ピラミッド」。

ここまでくると唸るか笑うかしかない。

 旅は、ますます面白い。