学生街のやしち店

次の仕送り、バイトの給料日までどうやってつなぐか。助けてくれたのは質屋さん。ギターやラジカセ、夏の間はあまり使わない電熱コンロや炬燵。何でも預かって貸してくれた。最初は裏口から入る構造が、何となく恥ずかしくみじめに思えたものだが、慣れて来るとこんなに若者を支えてくれたお店は無い。後年高利貸しやカードローンのトラブルが多く聞かれるようになったが、質屋さん全盛時、その類の話は私は聞かなかった。


君とよくこの店に 来たものさ

そわそわと裏口を くぐったよ

表通りにぎやかな この町の

裏小路二本目の 突き当り

 

あの時の場所は変わらない

店の名前も変わらない

質は流れた~

 

あの頃は返せるとは 知らないで

有難うも言わないで 出てきたよ

君と・・・・・・

 

 

君とよくこの店に 来たものさ

そわそわと裏口を くぐったよ

帳場の前おじさんが いやらしい

鼻眼鏡でじろじろ見る きがしたよ

 

あの時預けたラジオでは

銭湯代しか借りられない

質は流れた~

 

あの頃はそれでも何とか つなげると

ほっとした気分で 出てきたよ

君と 君と・・・・・・・