夜の銀座の人間模様。あくまで架空のクラブ(アップル)に展開する、ホステス、店長、泣き笑い。
泣いているのか 笑っているのか
表姿の 不思議なあなた
ついてくるのね 私の席に
ふりむかないで アップルの女(ひと)
並木通りに うろつく店長
あなたの足を いそがせるのか
タイムカードが 気にかかるのか
待ってほしいな アップルの女(ひと)
たなぼた同伴 金春通り
寿司の高さに 目と目が合った
少し遠慮も 必要だよと
ささやきたいな アップルの女(ひと)
明日も夕食 重めのスナック
いつもぼんやり しているあなた
程よく脂肪が お腹にたまる
抱きしめたいな アップルの女(ひと)
今にも空が 泣き出しそうな
高速下の 土橋の前で
何をいさかう 同伴ふたあり
声かけたいな アップルの女(ひと)
泣いているのか 笑っているのか
かわばたビルに たたずむあなた
つれてこられた むりやり店に
呼び止めないで アップルの男(ひと)
北海道男(きたみみちお)作