森友関連決裁文書が決裁後に改ざんされていた。いまのところ「佐川氏の国会答弁に合わせて、決裁文書を改ざんする必要が生じたということが動機」「改ざんを行ったのは財務省のごく一部の職員」というのが財務大臣の回答だ。
今後次から次に、さらなる新たなメモや文書、情報、解釈が出て来るだろう。
いつ、どのような形で決着がつくのか。予想もつかない。事の成り行きを見守るしかない。
成り行きを見守るにあたっては、過去に当HPに掲載された下記2ブログを前もってご覧いただくことをお勧めしたい。
今の段階で強く思うことは、「嘘は嘘を呼ぶ」ということ。社会は何度も経験し再発防止を繰り返し宣言したはずなのに、政治、官僚の世界ですら相変わらずに繰り返し行われていたということだ。
それでも、「嘘は嘘を呼ぶ」が決裁済み公文書の改ざんにつながったケースは極めて稀かもしれない。「廃棄した」「焼却した」「処分した」と嘘をつくことあるかもしれないが、役人にとって最も罪悪感を持つ改ざんまでは行動が及ばないものだ。改ざんとは「究極の嘘」又は詐欺。その一線を越えてしまったところに、今回の特殊性を強くうかがわせるものがある。
誰が何のために最初の嘘が始まったのか? 今のところ佐川氏の国会答弁の嘘が端緒のように伝えられているが、その嘘を呼んだ嘘が存在しているように思えてならない。
突然だがこの一連の騒動で一番面白い(大変失礼ながら)と感じるのは登場人物の表情と語り口、置かれた立場の微妙さや人格、そして嘘の陰が見えて来ることだ。
野党連合として責める議員、責めるのが得意な議員が皆で気色ばんでいるものの統率がとれているように感じられない。
議員に問い詰められる財務省の役人、論理的に嘘がつける(つかざるを得ない)鉄面皮も日に日に疲労が深まっている。弁明の時に脳裏によぎっているのは誰の顔だろうか。
私は責任ないとことさら強調しているように見える政府、攻められれた時特有の狼狽をごまかす言動(失言)がさらに物議を醸しだす。
連日、テレビワイドショーに出演している顔見知りの政治評論家や官僚経験のあるコメンテイター、一生懸命に自分が支援する側の為に理屈を組み立てる。
人というものは望んで立場になったのにもかかわらず、望まぬ事態の矢面に立つこともあるものだ。その際、どのように振る舞い、どのように嘘をかさねるのか。自分はどのように振る舞うことが出来るだろうか。
決済文書の改ざんを実行したのではないかとされる50代の財務省職員が自殺していた。
本省に指示されたというメモが、遺書としてあったとも聞く。
「いずれ誰かが死ぬのでは」と籠池夫婦の逮捕時頃から危惧はしていたが、それにしても、亡くなった財務職員がかわいそうだ。改ざん当事者とされたままでは永眠できまい。さらなる惨事が起きないことを願いたい。
2018.3