原発の後始末(幌延町)

 原発論議の行く末は高度汚染物質の最終処分に行きつく。推進者はそれに触れないような、あたかも気付かれたり、思い出したりされないように振る舞う。一般の人や反対者はどちらかといえば原発事故のケースを主に心配する。

 しかし、確率の低い、あるいは不確実性が高いかもしれない事故よりも確実にくる確かな危機が汚染物質の最終処分だ。

  それに挑戦する人々の努力と同時に、原発政策の問題点を深く考えさせる施設が、北海道道北人口2,623人の幌延町にある。

「ゆめ地層館(幌延深地層研究センター)」。

 

 めったに見ることができない程珍しく、可愛いトナカイを見物することができる「トナカイ観光牧場」という施設が、幌延町の町はずれにある。訪れてみると、周辺に見慣れない光景がある。掘削残土の山だ、黒い覆いをかぶっているが周辺土地より一段高く盛られ、かなりの量だとわかる。

 これは高レベル放射性廃棄物の深地層処理を研究している施設が掘り出した土砂。地下350mまで掘り下げた後に巨大な横穴を掘り、その中に高レベル廃棄物をガラスと混ぜ合わせ分厚いステンレスのカプセルに閉じ込め、さらに厚いコンクリートで覆ったカプセルを貯蔵するという実験施設。毎年36億円超の投資だそうだ。

 

 この施設は是非見てほしい。見る価値がある。ある意味で人類の英知を集めた研究である。施設そのもの、そこで研究されている内容もさることながら、幌延町は、実際の最終処分場として廃棄物を持ち込むことを許していない。町の広報(HP含む)でも施設紹介には積極的ではない。存在すら表に出てこない。しかし、国として将来の最終処分の目処は立っていない。他国へ依頼、海洋投棄、宇宙投機、何れも不可能だろう。

 原発のこと、技術、知恵、将来のこと、人類のこと、国家のこと、・・・・・・

 考えるきっかけ、気づきのきっかけに出会える。

 

 施設自体は訪れてみるとかなりオープンだ。実際のカプセルやコンクリート外枠の積み上げ実験、そのために作られた特種機等を間近で見られる。

 

http://www.jaea.go.jp/04/horonobe/