天草下島の南端、世界遺産登録の期待がかかる隠れキリシタンの里﨑津に近く、鹿児島長島へ渡るフェリーがある牛深の町で、日本におけるハイヤ系民謡(佐渡おけさ、阿波踊り等々)の元と言われている「牛深ハイヤ」のお祭りがあると聞き、はるばる東京から行ってみることとした。
「ハイヤ ハンヤは何処でもあるが 牛深ハイヤは元ハイヤ」
江戸時代後期、牛深を行き交う交易船の船乗りと牛深の女性が踊ったのがはじまりで、後に交易船に乗り、あるものは北前船に乗り換えて日本全国へ広まったと言われてます。
昼間、祭りの準備がほぼ整った街を歩いてみると
祭りでお馴染みの屋台にはすでに子供の姿あり、中には既に祭り衣装に着替えた子供もいる。
夜19:00 主催者挨拶 天草市長等の挨拶、宝船からの餅撒きに続いて、お囃子の地方衆が地方席に着き、開始宣言を受けて祭りのメインイベント総踊りが始まった。
宝船を先頭に、お揃いの水色と青の衣装の皆さんが、赤い襦袢をちらつかせながら見事に揃った素晴らしい総踊り。
ハイヤ踊りの愛好グループは九州各地だけではなく本州、そして東京等にもあり、その皆さんが集まっている。そして天草の病院や郵便局等々がそれぞれの嗜好を凝らして参加。阿波踊りやよさこいに似た踊りを披露するグループもある。なるほどハイヤ系民謡の元と言われるだけのことはある。飽きない。
大人から子供まで、そして全国各地からの人々が集う祭りだが、外国人が多いのにも驚いた。本当に楽しくあらゆるものを無視して踊る人、はにかみ照れながらも笑顔で懸命に踊りについてゆく人、色々な人がいるが改めて日本の祭りの不思議な魅力(決してフェスティバルでは無い)を感じる。
それを最も強く感じたのは、総踊りが終わって、市街の中心部にゴザを敷き車座になって始まる踊り。地方も近く、次々と見物人が呼び込まれ自由で最高に楽しい。
丁度、隣で鏡割りがあった関係で、図々しく3杯も振る舞い酒をいただき、すっかりいい気分。堪能した一夜でした。
動画で一緒に楽しみ、酔っ払ってください。
https://www.youtube.com/watch?v=m0nJLAjsi2E
https://www.youtube.com/watch?v=a1bmSSkmeSI
https://www.youtube.com/watch?v=tCtEIZe8Ry4
海の上にも「牛深ハイヤ」!
大漁旗に鯉幟をなびかせて、30艘を優に超える漁船が港内外でハイヤを展開する。
港の中での練りは相当な迫力です。
港そばの広場では地元の名産品を販売する多くのテントが並び、今回牛深を訪問するきっかけを作っていただいた、リベラ㈱の黒鶴さんのご両親もお店を拡げていらっしゃいました。なんと、お父様は昨夜の踊りにでビデオに映っていらっしゃるのです。
ご挨拶をさせていただくことが出来ました。お世話になりました。ありがとうございました。
テントを物色していると、天草では珍しいという干しナマコを扱う方がいらっしゃる。私もなまこには関心があるため話が弾みました。北海道、函館のことなどよくご存じです。
生きたウツボにもお目にかかることが出来るなど、各テント面白く、こちらも飽きません。
フェリーの時間もあり、最終日の総踊りは見ることが出来ませんでしたが、楽しめた二日間でした。
東京への帰路立ち寄った、熊本出水麓で聞いた話。
「私の若いころは、いつも威張ってにこりともしない薩摩の男衆が牛深へ行って遊びまくっているくせに、帰ってくると何事もなかったように威張っている、男尊女卑の土地だったからね。」
牛深は古くから人があつまるところであったようだ。乗り込もうとしたフェリーからも大勢の観光客が降りて来た。出港時間が遅れるほどに。