月の砂漠にお雛様(勝浦ビッグ雛祭り)

「月の砂漠」を初めて聴いた時、「アラブの王子とお姫様が日本では見ることもできない果てしの無い砂漠をラクダの背に揺られゆく」どこの国の歌だろうかと驚きをもって想像を膨らませたものだ。

そしてもっと驚いたのは、実は「加藤まさを」という日本人が房総の御宿海岸で作詞したものということを聞いた時。「佐々木すぐる」のメロディは日本人の心のうちに自然にすんなりしみ込んでくる。名詩、名曲数あれど、これほど名詩と名曲がマッチした歌も少ない。

月夜に訪れることは出来なかったが、月の代わりにお日様に照らされた王子とお姫様は羨ましいほど仲睦まじい。

今でこそ全国各地で行われているが、寺社の参道石段を使って行われたのは「勝浦」が最初ではなかったか。

「勝浦ビッグ雛祭り」

市内いくつかの社寺が参加しているが、これだけのお雛様がどこにあったのかと思い、圧倒される。

年一回、お天道様と人々の温かいまなざしを浴びて、心なしか皆(ひな人形の方)嬉しそうに見える。

中には、長年表に出ることが無かったお雛様もいよう。

一人一人に持ち主の人生と深く絡み合った色々な人形人生があったはずだ。

そんな思いでみると、一つ一つをじっくり見るので時間があっという間に過ぎてしまう。良いイベントだ。企画発案者に敬意を表したい。

が、ひとつ、「勝浦ビッグ雛祭り」のネーミングがつまらない。もっと雅で親しみのあるネーミングは無いものか。

そして6年後

2022年1月、6年後に会いに来た月の砂漠。

世は新型コロナウィルスが世界的に蔓延して2年、オミクロン株出現による第6波の最中である。
目に見えた変化は何もないのに、なぜか全てが変わったかのような暗く寂しい空気感。
これも、時が解決してくれるだろう。最後は、王子と王女の永遠の愛が勝つ。