風車弥七とお新のお墓

栃木県から峠を越えて茨城県へ入ってすぐ、常陸大宮の山間の寒村緒川村に「風車の弥七」と妻「霞のお新」の墓がある。墓は夫婦の墓守によりよく手入れをされ、敷地には風車が回る。「弥七」のモデルは、松之草村の小八兵衛とされ、元は関ヶ原の戦いで徳川に味方せず秋田へ追われた佐竹藩の藩士車丹波義輝の弟の子、伊賀の忍者でもあった。水戸の領地に戻ってからは盗賊の頭領として農民の為の正義の味方であった。後に捕らえられるも光圀によって放免され、恩義を感じて水戸光圀の隠密として活躍したということである。

ドラマの「水戸黄門」で演じていたのは「弥七」は中谷一郎「お新」は宮園純子。美しかった。「お新は本当に美人だったのですか?」墓守のおやじさんは「全部この本に書いてある。六百円。」小雑誌を買って読んでみたが、どこにも「美人」とは書いていなかった。女丈夫で内助の功は素晴らしかったと言われる。

「弥七」は意外に倹約家だったらしく、家の床下に壺を埋めてお金を貯めていたようだ。掘り出された壺が、墓守が商っている土産店に飾ってある。壺の前には暖簾のような幕が垂れていて見ることはできない。

「観たいかい?」

「観たい」

「三百円」

「お金を払うほどなら観なくていい」

「じゃあタダでいいよ」

「?????」

写真まで撮りました。