道真公ゆかりの御手洗(みたらい)

かつて、村上水軍が跋扈したであろう瀬戸内海の真っただ中、呉市の大崎下島にある御手洗。海路が主役であった昔は大いに栄えた港町である。「大長ミカン」で有名な大長町を通って御手洗に入るとかつての主要航路を思わせる灯台のモニュメントが目に入る。

御手洗は、菅原道真が大宰府へ左遷される際立ち寄り、井戸で口を漱ぎ、手を洗ったことからこの地を御手洗と名付けられたという説と、古くは神功皇后が手を洗ったという説もある。

古の街並みが保存され、住民の皆様がすだれに一輪挿しで軒下を飾り観光客をもてなしてくれる。通りにある「新光時計店」はどんな時計でも修理してくれると世界的にも有名な時計店である。

是非立ち寄りたいのは、日本初の遊郭とも言われている「若蛭子屋」。当時の「身売り契約」の内容も掲示されており、遊女の哀れを感じる。

もちろん道真ゆかりといえば「天満宮」も立派に存在する。

他にも、平清盛ゆかりの「萬舟寺」、現在も使用されているレトロ感たっぷりの劇場「乙女座」等、見どころは多い。

少し混乱するのは、町中に「御手洗」の看板や案内を見つけると「おてあらい」なのか「みたらい」なのか悩んでしまうことがあることだ。