「みだれ髪」と「喜びも悲しみも幾歳月」の塩屋崎

「髪の乱れに 手をやれば~♬」美空ひばりの名曲が流れる、塩屋崎灯台。 「みだれ髪」の歌碑の前では、乱れようがない頭や「すだれ髪」の観光客も口ずさむ。

「みだれ髪」は知っていても、歌中の「塩谷の岬~♬」がどこにあるのかは、知らない人が多い。そして、その岬に立つ塩屋崎灯台が、あの「おいら岬の 灯台守は~♬」の歌い出しで有名な、「喜びも悲しみも幾歳月」の舞台であることは、訪れて初めて知る人の方が多いことだろう。

3.11の大震災で周辺部は津波に洗われ、灯台本体も大きな被害を受けたが、現在は復興が進み、以前のように観光が復活した。福島県の貴重な震災復興シンボルのひとつだ。

灯台に昇って望む太平洋ははるかに「沖の瀬を行く 底引き網の」漁船が浮かぶ。

歌碑の近くには、ひばりグッズの売店が時代を溜め込んで立っている。数多くの芸能名写真を撮ってきた写真家ムトー清次さん(写真)が撮影した美空ひばりが、昭和が臭う雑誌やカレンダーで生きている。