ルパンに会える か?霧多布

 

 

「茅を刈るところ」という意味のアイヌ語「キータプ」、これに「霧多布」の字を充てた人は天才だ。

 

北海道を旅する度に立ち寄る霧の世界「霧多布」は浜中町、厚岸道立自然公園の中にある。

 

ここでは高山植物やエゾニュウの花、馬も牛も人間も霧に包まれて生きる。アゼチの岬、湯沸岬(霧多布岬)を巡って霧多布温泉「ゆうゆ」に浸るのがお気に入りのコース。

 

 

 

アゼチの岬と湯沸岬(霧多布岬)がある湯沸島は霧多布湿原と共に、最も霧多布らしい場所。

 

 

 

アゼチの岬の先には狭い水道を挟んで小島が、その先には嶮暮帰島が見えてとっても美しい。しかし、もともと好天の少ない道東の地である。幸運に恵まれない限りポスターなどで見る風景は眺められないが、荒天の迫力ある怒涛の海、海鳴りだけが想像を掻き立てる何も見えない濃霧の岬はそれはそれで霧多布へ来た実感が沸いて良い。さらに、我先にと道内でも屈指の昆布漁場への先乗りを競い、小島との間の狭い水道を疾走する小型漁船の船団や、駐車場から岬へ向かう歩道の左右に咲き乱れるエゾニュウの花、どれもが心に残る。何度訪れても同じ光景は無く、何度訪れても飽きない。

 

 

 

湯沸岬(霧多布岬)は浜中湾の沖に突き出た名岬。アゼチの岬が湯沸島の西端にあるのに対して、湯沸岬は東端ある。この沖合は岩礁が多く船の航行には危険な場所。昔から霧多布灯台の役割は重要だ。霧多布灯台は昭和26年点灯、現在船舶の装備やソナー技術の発達と共にその機能を停止しているが、かつては霧信号所として濃霧時30秒に一回ダイヤフラムホーンを鳴らしていた。むろん、その機能を停止したからと言って、霧多布灯台の重要性は変わらない。灯台から岬の先端まで左右に広がる海を眺めながら緩やかに下ることができる。エゾカンゾウの黄色やヒオウギアヤメの紫の花が咲き乱れる。アゼチの岬とは植生が少々違うようだ。

 

岬の先は襟裳岬に似て岩礁が沖へと続き海に沈む。風向きにより、岩礁を境に表情が違う二つの顔の海を眺める。風にカモメの声も振るえている。

 

 

 

霧多布温泉「ゆうゆ」は199920世紀最後の年に開場した。浜中の町から湯沸島への入り口、島の高台へあがってすぐにある。露天風呂からは、浜中の市街地が、街を挟んで右(東)に浜中湾、左(西)に琵琶瀬湾と湾に注ぐ琵琶瀬川、そして琵琶瀬川流域に広がる霧多布湿原を眺めることが出来る。霧や風にさらさせた体を「ゆうゆったり」とお湯に「きりたっぷり」と浸すことが出来ます。(失礼)

 

浜中は酪農も盛んな街だ。牛乳の品質は特に評価が高く、「ハーゲンダッツアイスクリーム」「北海道カルピス」の欠かせない原乳として使われているほど。

 

湯上りのお薦めは「昆布ソフト」。塩味の昆布の粉末がかかったソフトクリームを昆布のスティックですくって舐める。んー旨い。霧多布が凝縮しているように思える。

 

 

 

湯沸島を離れ浜中の漁港へ降りると迎えてくれるのはカモメの群れ。

 

豊かな海産物の水揚げの恩恵にあやかろうと防波堤に群れているが、何かのはずみで一斉に飛び立つ。視界を埋め尽くすカモメの群れは圧巻。昼間はめったに人を見かけない港周辺はカモメのサンクチュアリー。

 

 

 

そして毎回、ふらりと仕上げに立ち寄るのが「ルパン通り」。中央にグリーンベルトを備えた100メートル足らずの繁華(?)街。映画館「霧多布座」によった後、バー、PUBをはしごする。

 

霧多布座はルパン三世の経営、バーは次元大介、PUBは峰不二子がオーナーだ。

 

 しかし、残念ながらこれまで一度も映画を鑑賞できたことも、グラス一杯のお酒を飲めたためしが無い。ルパンはロケに出かけ、次元は常に旅に出て、もっとも逢いたい不二子の店はメンバーオンリーでルパン以外に入店できないためだ。

 

何故か、小次郎の影は薄い。銭形警部のトレンチコートも見当たらない。小次郎の道場、銭形警部のポリスボックスも欲しかった。もっとも小次郎は道場やぶりに出かけ、銭形はインターポールに出向で会えないとは思うが。

 

 

 

釧路➡昆布森➡厚岸➡霧多布(浜中)➡根室➡納沙布岬 この海岸線は飽きることなく素晴らしいものに出会うが、中でも霧に覆われた最果て感とルパン一味の組み合わせの霧多布は面白い。

 

そこで一句?

 

「浜中はモンキーパンチの出た処」